望遠レンズの上手な使い方はどれだけ圧縮効果を理解できるかにかかっている

こんにちは。

ゆうです。

 

一眼レフを使うとですね、

望遠レンズって絶対どっかのタイミングで手に入れると思うんですよ。

 

運動会なんかは望遠レンズ活躍の花形だと思いますが、

日頃から重宝するレンズの1つですよね。

 

ただ、望遠レンズって単に遠くのものが撮れるとだけ思ってるそこのあなた。

はっきり言いましょう。

 

損してます…。

 

望遠レンズには遠くのものを写す他に

もう一つ重要な機能が備わっています。

 

それが今日紹介する「圧縮効果」というものです。

望遠レンズを使うならこの「圧縮効果」についてはしっかり知っておくべきです。

相当、写真の幅が変わってきます。

 

まず圧縮効果とはどんなものなのかを説明します。

次になぜ圧縮効果が発生するのか?

最後に圧縮効果を実際に撮影に活かすならば

どのように活かすのか、

考え方と実際の写真を交えながら説明していこうと思います。

 

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圧縮効果ってなんなの?

圧縮効果は距離感が詰まった感じになる効果

圧縮効果というのは、焦点距離を長く撮った時に

勝手にかかるものです。

 

要するにズームするとこういった効果が現れるんですね。

 

前後の距離感がぐっと詰まった感じに写り

手前の方にあるものと、奥の方にあるものが、すぐ近くにあるかのように写るんです。

 

言葉で言われてもピンと来ないですよね…。

実際に写真を見てみましょう。

 

どんな感じに写るの?

では、ふんだんに圧縮効果がかかった1枚を見ていただきましょう。

こちらです!

KID HOUSE圧縮

何だよ、

ただ家の前にある花を撮っただけじゃねーかよ…

 

と思ったあなた。

そう判断するには早いのです。

 

この花と家を横から撮った写真も見てもらえませんか?

KID HOUSE横から

こんな距離感なんです。

30mくらいでしょうかね?

そのくらいは離れていると思います。

 

もう一度、圧縮効果がかかった写真というのを見てもらうと

とても30m離れているようには思えないのではないでしょうか。

 

正にこの30m離れているようには思えないのにすぐ後ろにあるかのように見えるこの効果こそが

圧縮効果と呼ばれるものなのです

 

前後の距離感がぐっと詰まった感じに写ってますよね?

 

手前の方にあるものと、奥の方にあるものが、

すぐ近くにあるかのように写ると説明しましたが、

それがどういうことなのかご理解いただけたでしょうか?

 

圧縮効果を使うと

遠くにあるもの同士を近くにあるかのように写したり、

まばらにあるものを

ぐっと距離感を詰めて密集しているように写すことが出来るんです。

 

ちなみに圧縮効果というのは、

ズームしながら撮ると嫌でもかかります。

望遠レンズでズームした場合には

かならずこの圧縮効果がかかると思ってください。

 

圧縮効果でできること
  • 遠くにあるもの同士を近くにあるように写すこと
  • まばらに存在しているものを密集しているかのように見せること

 

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なぜ圧縮効果が起こるのか?

なぜ圧縮効果が起こるのか?という問いに答えるには

2つのことを理解する必要があります。

 

1つは焦点距離と画角の関係性。

もう一つは手前の距離感と遠くの距離感は違うということ。

 

一つずつ説明していきますね。

 

焦点距離と画角の関係性

焦点距離というのはどのくらいズームをかけるのかというやつで、

50mmとか200mmとかと表現されます。

 

画角というのは、どのくらいの範囲が写るのか?ということです。

 

写真を撮る際にズームをかけるというのは

広角で撮った写真の一部を切り取ってズームするようなことをしているんです。

次の図を見てみてください。

各焦点距離の範囲

18mmという焦点距離で撮った写真ですが、

同じ場所から200mmで撮影すると

真ん中の紫で囲った辺りの範囲だけが写ります。

こんな感じに。

焦点距離の変化と画角の変化

真ん中の辺りだけを切り取るようにして

そこだけを拡大する。

これがズームをかけるということなんです。

 

ちなみに200mmの時に写っている範囲というのは

次の図のようになります。

写真に写る範囲200mm

紫の線の幅で、黄色い線から先の部分が

切り取られるようになっていますね。

 

ズームをすればするほど狭い範囲だけが写り

自分がいる位置から遠くだけが写るということになるんです。

(手前部分は切り取られ写らない)

 

この焦点距離と画角の関係性をもっと知りたい方は

こちらの記事で詳しくまとめているので、ぜひ読んでみてくださいね。

焦点距離と画角の関係
  • ズームをすればするほど狭い範囲だけが写り、自分がいる位置から遠くだけが写る
  • 言い換えると、焦点距離が長くなればなるほど画角が狭くなる

 

手前の距離感と、奥の方の距離感の違い

手前の距離感と、奥の方の距離感ってなんだよ…って話だと思いますが…

自分としても正直、ネーミングのセンスのなさに辟易しているところでありまして…

 

なんと呼べばいいのか名前がわからんのですが、

ちょっと順番に例を出しながら説明させてください。

 

例えば次のような2つの10mがあったとします。

  1. 自分が今いるところから10m先までの10m
  2. 自分が今いるところから100m先と110m先の10m

この場合の1番と2番、

どちらも10mなんですけど、同じ距離感はないと思います。

2番の方が詰まって見えるはずなんですよ。

 

これをまず平面図で見てみるとこういう位置関係になります。

10mの差平面図

撮影位置から10m先までの10m、

100m先から110m先までの10m。

 

これを実際の写真で見てみるとこうなるんです。

手前と奥の10m比較写真

同じ10mのはずなのに

奥側の10mって距離感がよくわからなかったりしませんか?

 

自分から離れれば離れるほど、距離感が曖昧になっていく

遠くに行くと10mの差も20mの差も詰まって見えてしまって

差がはっきりわからなくなってしまうんです。

 

この遠くに行けば行くほど、

つまり奥に行けば行くほど距離感が詰まって見えるというのがポイントなのです。

 

遠くの10mの差がわかりにくくなるというのがお分かりいただけたでしょうか?

 

では、これが300m先と310m先だとしたらどうなるでしょうか?

まったく差はわからなくなると思います。

 

では、300m先と350m先の50mの差だったら?

うーん…

これも人の目ではほぼ距離は感じられないでしょうね。

判別不可能だと思います。

手前の距離感と奥の距離感の違い
  • 同じ10mでも、自分の位置から10m先までの10mと、100m先と110m先の10mでは見え方がまるで違う

 

距離感が詰まったところをズームして切り取ると圧縮効果が発生する

さあ、ズームをすればするほど狭い範囲だけが写り

自分がいる位置から遠くだけが写るということがわかり

 

かつ、遠くの距離の差はほとんど目で認識出来ないということもわかりました

 

この2つを掛け合わせると

いよいよ圧縮効果というものの正体が見えてきます。

 

つまり、遠くのそもそも距離感が詰まってしまっている風に見えるところだけを

ズームして狭い範囲で切り取る。

 

正にこの図の赤枠の部分です。

奥の10mのところを切り取る

すると結果として、前後の距離が詰まった写真、

つまり距離感が圧縮された写真が撮れるということになるんです。

 

この前後の距離感がわからなくなるくらい遠くを ズームして局所的に切り取る

それによって前後の距離感がわからなくなったところだけが切り取られ

ぐっと圧縮されたような写真になる

 

これが望遠レンズによる圧縮効果の正体です。

圧縮効果の正体
  • 望遠レンズで強いズームをした時に、前後の距離感がわからなくなる部分だけを切り取るように写る
  • 結果、離れたもの同士が近くにあるかのように写る

 

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圧縮効果を使った作品例

これは大きく2パターンあります。

 

1つはここまで説明したような

本当は離れているものをすぐ近くにあるかのように写す方法。

 

もう一つはそもそも近くにあるけどまばらに散らばっているものを

密集しているように見せる方法です。

 

やること自体はどちらでもしっかりズームして、

距離感がわからなくなったところを切り取るだけなんですが、

自分としては構図を作る考え方は少し異なるのかなと思います。

 

一つずつ説明していきますね。

 

遠くのものがすぐ後ろにあるかのように撮る

一番最初にお見せした花と家の例が正にこれ。

もう一度、写真を見てください。

KID HOUSE圧縮

 

横から見るとこんな感じの位置関係なんでしたよね。

KID HOUSE横から

ずいぶん離れているんですが、圧縮効果によってかなり距離が縮まっています。

 

この考え方で構図を作ると、本来並んで撮ることができないものを並べて撮ることが出来たりします。

圧縮鉄塔

ちょっとお顔は隠させてもらいましたが、

こんな風に鉄塔の真横に立って写るような構図も可能です。

この写真ではf値を下げて背景ぼかしてしまってますが、

f値をあげて奥の方までピントが合うようにしてあげれば、

より鉄塔の隣に写ってる感が出てくるかと思います。

 

こんな風に前後の間隔をぐっと詰めるのが1つ目の撮り方。

 

まばらなものに密集感をもたせる

もう一つは密集感を出すという方法です。

例えばこの写真をご覧ください。

チューリップ引きの絵

まあ、これはこれで悪くないんですが、

チューリップがならんでいますね。

いっぱい咲いているけど、めちゃくちゃ密集している感じでもない。

 

ここでわざわざチューリップから離れて

思い切り望遠でチューリップを撮ってみます。

するとこうなります。

チューリップ圧縮

ぐっと前後の距離感が圧縮されて、

まばらな感じに咲いていたチューリップに一気に密集感が出ましたよね。

 

この密集感はレンズを思い切りズーム側にして

圧縮効果を発生させないと演出出来ないものです。

 

つまり花のすぐ側で撮るという選択肢もあれば

わざと離れて圧縮効果で密集感を演出するという選択肢もあるということなんです。

 

この密集感を演出するという考え方を持っておくと、

写真の構図を考える時にいろんな選択肢を持てるようになります。

 

他にこの密集感を演出した写真はというと…

桜圧縮効果

この写真なんか思いっきり圧縮効果の力を借りたものだと思います。

 

川岸に一定間隔で並んでいる桜を

前後の距離感ぶっつぶして

全面を桜で埋めつくしたような1枚。

 

こういうのも近くで撮っているだけでは撮影できない写真で、

ちょっと遠くからねらう発想がないと撮れないものだったりします。

 

望遠レンズによる圧縮効果の使い方まとめ

今日は望遠レンズの圧縮効果についてまとめました。

前後の距離感覚を詰め、ぐっと密集感を増すような撮り方。

ご理解いただけれいれば嬉しいです。

 

カンタンに今日の内容をまとめますね。

まず圧縮効果で出来ることはこんなようなことでした。

圧縮効果でできること
  • 遠くにあるもの同士を近くにあるように写すこと
  • まばらに存在しているものを密集しているかのように見せること

 

そして圧縮効果の正体とは、遠くの方の前後感があまりわからないあたりだけを

ズームして切り取るというものでしたね。

圧縮効果の正体
  • 望遠レンズで強いズームをした時に、前後の距離感がわからなくなる部分だけを切り取るように写る
  • 結果、離れたもの同士が近くにあるかのように写る

 

で、この効果を使う時に考えておくべき構図は次の2種類でした。

圧縮効果が得意とする構図
  • 本当は離れているものをすぐ近くにあるかのように写す方法
  • そもそも近くにあるけど、まばらに散らばっているものを密集しているように見せる方法

 

これらの内容を押さえてもらえば、

圧縮効果を積極的に使いながら面白い写真が撮れるようになります。

 

せっかく望遠レンズ持ったら、遠くのものを撮るだけじゃもったいないんですよね。

むしろこの圧縮効果こそが、望遠レンズの醍醐味だと思います。

 

ぜひ、また違った角度から望遠レンズと付き合い

楽しく写真を撮ってもらえれば嬉しいです。

 

レンズに関する記事はこんな記事もあるので、

よかったら読んでみてくださいね。

 

では、最後に本日使ったカメラと望遠レンズをご紹介させていただきます。

それでは。

今日よりほんのちょっとステキな明日があなたに訪れますように。

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