こんにちは。
ゆうです。
写真を撮るのが好きだとどこかの地点で興味を持つことがあるかと思います。
マクロレンズというものに。
要するに接写が出来るレンズ。
被写体の近くまでよってこのような写真が撮れるわけですね。
美しいとは思いませんか?
こんな写真、自分でも撮れたらそれはそれは楽しいですよね。
しかし、一眼レフ・ミラーレスのレンズは高い。
安いものでも2〜3万は平気でしますからね。
高いものを見ればキリがありません。
例えば手持ちの単焦点レンズ、
これ写りもいいし、このレンズのまま被写体によれればいいのにな…
なんて思ったことはありませんか?
ありますよ。いい方法。 しかも2000円〜3000円そこらで済む方法。
今日は手持ちのレンズをマクロレンズに変えてくれる 魔法のフィルターをご紹介します。
マクロ撮影が出来るようになるクローズアップレンズ
クローズレンズアップってこんなもの
さっそくですが、魔法のフィルターをご紹介します。
Kenkoのクローズアップレンズと呼ばれるものです。
分厚い保護フィルターみたいな見た目ですよね。
実際にレンズにくっつけてみるとこのような感じになります。
右側がクローズアップレンズをつけたところ。
左側がつけていない方。
結構分厚いフィルターです。
このクローズアップレンズを取り付けることによって
最短撮影距離を短くすることが出来ます。
簡単に言うと、
本来は被写体から50cm離れないとピントが合わないレンズも 被写体から10cmのところまでよって撮影することが出来るようになるわけです。
で、冒頭お見せしたような写真や
次のような写真を撮影することが出来るようになるわけですね。
microSDカードの小ささは皆さんご存知かと思いますが、
そのmicroSDにさえこんなによることが出来るようになります。
申し遅れましたが、使っているカメラ・レンズはSONYのものです。
50mmのマクロ非対応のレンズでこれだけの接写が出来るのは素晴らしいですよね。
クローズアップレンズの種類
さて、ここまで一口でクローズアップレンズと紹介してきましたが、
実はクローズアップレンズにもいくつか種類があります。
次の図をごらんください。
( ケンコー・トキナーHP(https://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/eq/eq-digital/close/close_up/)より引用)
こんな感じにNo.1からNo.10まで種類があって、
数字が大きくなればなるほど近くによって撮影出来るようになります。
これを見て「おや?」と思った方もいるかもしれません。
例えばNo.3の「約20cm〜33cm」というのはどういうことだ?と。
これまで被写体によって撮影することが出来るようになる
フィルターだと説明してきましたが、
正確に言うとちょっと違います。
近距離のある範囲でだけピントがあうようになるフィルター、
という言い方が正解です。
要するにNo.3というフィルターでいうと
被写体から20cmから33cmの距離でピントが合うだけなんです。
20cmより近づくとピントは合わないし、
33cm以上離れると、それもまたピントが合わなくなってしまいます。
実は自分は2つのクローズアップレンズを所有しています。
それがNo.5とNo.10のレンズです。
No.5では被写体から14cmから20cmの距離で、
No.10ではなんと被写体から8cmから10cmの距離に近づけるようになります。
そしてこのクローズアップレンズの最大の特徴は
重ね付けが出来る点にあります。No.10をつけてからNo.5のレンズをつけると
被写体に5cmほどの距離まで近づいて撮影することができるようになります。
これはかなり驚異的な数字だと思います。
ですが、やっぱり本家のマクロレンズってすごくて
レンズの先から被写体までが2〜3cmくらいまでよることが出来ます。
もし今日の方法でも近より具合が足りないということなら
それはマクロレンズを買うしかないでしょうね。
クローズアップレンズを使ってマクロ撮影してみる
では、ここからはクローズアップレンズを使って撮影した写真を紹介していきたいと思います。
以下の4通りのパターンで同じ被写体を撮り比べてみたいと思います。
- クローズアップレンズなし
- No.5のクローズアップレンズを使う
- No.10のクローズアップレンズを使う
- No.10とNo.5のクローズアップレンズを併用する
4つ目に書いた2つのレンズを併用する場合では、
No.10のクローズアップレンズを先につけ、
そのあとにNo.5のクローズアップレンズを重ねています。
先に No.5をつけるパターンもあるんですけど、
No.10を先につけるパターンの方が被写体までの距離をより短く取ることができました。
のちほど実測値のご紹介もしますが、
より接写するという観点で考えるとNo.10を先につけた方が有利です。
それでは写真を順番に見ていきましょう。
ガラスペンをクローズアップレンズでマクロ撮影して比較
まず、ガラスペンのペン先を撮影した写真をご紹介します。
ガラスペンでピンと来ない方は
ボールペンのペン先サイズのものを撮影したと思ってください。
クローズアップレンズなしでの撮影
これが普通に撮った写真です。
クローズアップレンズを使うことで
果たしてどこまでマクロ撮影をすることが出来るようになるでしょうか。
No.5のクローズアップレンズでマクロ撮影
No.10のクローズアップレンズでマクロ撮影
かなり接写出来てますよね。
ペン先のガラスのねじれが美しく表現されています。
No.10とNo.5のクローズアップレンズを併用する
先端部分の幅は1mmもありません。それがこのサイズで写せるようになるんです。
もう、クローズアップレンズさまさまですよ笑。
ギターのピックをクローズアップレンズでマクロ撮影して比較
さて、クローズアップレンズでの比較を
もう一例、ご用意しました。
ギターのピックです。
ギターのピックは使っているうちに部分的に削れてきます。
削れている部分がどう写っているかに注目してもらえるとその解像度の高さを理解していただけるのではないでしょうか。
クローズアップレンズなし
通常だとこのくらい。
削れているのもわかりますが、
クローズアップレンズを使った際はこんなもんじゃありません。
No.5のクローズアップレンズでマクロ撮影
まだ単にちょっと大きくなったなくらいな印象でしょうか?
No.10のクローズアップレンズでマクロ撮影
このくらいまで来るとピックが削れている角が
ギザギザしているなとか、
そういったことも見て取れるようになります。
No.10とNo.5のクローズアップレンズを併用する
肉眼で見ていると削れている部分はまっすぐなような気がしていましたが、
よく見ると意外とザラザラとしてキレイな曲線ではないんですね。
こういったところまでしっかり描写できています。
身の回りのいろいろをクローズアップレンズで撮ってみた
クローズアップレンズの有無や種類による
写り方の差はご理解いただけたかと思います。
ここからは身近なものをマクロ撮影した写真を
いくつか紹介したいと思います。
いずれもNo.10とNo.5のクローズアップレンズの併用で
撮影をしています。
のちほど触れますが、F値はこのレンズの最大値の22で撮影しています。
葉っぱの水滴
スノーフレークの花
花をマクロ撮影すると
花びら表面の質感が感じられて個人的にはめっちゃ好きです。
エフェクター
BOSSのDS-1という機種のノブ部分をマクロ撮影。
「TONE」というプリント文字がよく見るとカクカクしてたんですね。
ホコリは…笑
見た目はよくないんですけど、
これほどまでに小さなものがこんなにも写る!
というのを伝えるにはいい例なのかなと思い、
そのまま掲載してしまいました。
ティッシュペーパー
なんだかよくわからないですが、
完全に見慣れているはずのティッシュペーパーです。
こんな風に見てみるとまた違ったものに見えますね。
身近なものをこうやってマクロ撮影してみるのも
また面白いなと思います。
ちなみに赤いのは机の赤が透けているだけです。
撮影距離の実測値
メーカーから発表されている撮影距離はすでに紹介しましたが、
重ね付けしたときの撮影距離のデータは
メーカーからも発表されていません。
なので、今回独自に測ってみました。
あくまでレンズの先っちょから被写体までの距離です。カメラ本体についている距離基準マークからの距離ではないので
そこだけ気をつけて読んでいただければと思います。
さっそくですが、結果を言うと
それぞれのパターンの撮影距離は次の通りでした。
- No.5のみ使用 ー 約12cm〜30cm
- No.10のみ使用 ー 約8cm〜11cm
- No.5先・No.10後で併用 ー 約5.5cm〜7cm
- No.10先・No.5後で併用 ー 約5cm〜6.5cm
併用するにしてもNo.5とNo.10のどちらを先にレンズにつけるかによって
若干、撮影距離に差が出てきます。
クローズアップレンズ撮影のコツ
ここからは実際にやってみて感じた
クローズアップレンズを使ってのマクロ撮影のコツをまとめてみたいと思います。
- F値は上げる
- 家の中で練習して被写体までの距離感をつかんでおく
- ストロボを使う
- カメラ本体のズーム機能を使う
簡単にひとつひとつ説明していきたいと思います。
F値を上げる
これは次で取り上げる欠点にもなりうる部分だと思いますが、
クローズアップレンズをつけるととにかくボケます。花の手前にピントを合わせると、花の奥はすでにボケているくらい
ボケにボケまくります。
花の中央にのみピントがあっていますよね。
この現象は寄れるようにすればするほど顕著で
No.5よりもNo.10の方がボケますし、
No.10よりも2つを併用する方が更にボケます。
だからよほどの意図を持ってそのような写真を撮るのであればいいのですが、
もう少しピントが合う範囲を広くしてあげた方が使いやすいんです。
例えばさきほど見ていいただいたこちらの写真。
写真の左下のあたりは完全にボケてますよね。
この写真、F値は22。
最大限しぼった状態で撮影しています。
それでもこんなにボケるんです。
この写真のF値に限らず、
今日この記事で紹介している写真のF 値はほぼすべて22。最高にしぼった状態です。
こうしないと何を撮っているのか分からなくなってしまうことが 多いように感じるんですよね。
どれだけボケやすいか、
おわかりいただけたかと思います。
基本的にF値は大きめに、
自分の場合、少なくとも16より大きいくらいの値で使うようにしています。もちろんボケまくっている状態を狙っている場合には
この限りではありませんけどね。
家の中で練習して被写体までの距離感をつかんでおく
すでにクローズアップレンズというのは
被写体から特定の範囲じゃないとピントが合わなくなるという
説明をしました。
今回紹介したNo.5とNo.10のフィルターを併用すると、
ピントがある範囲は被写体から約5cm〜6.5cmの距離で合うようになるんでしたね。
ということは、ピントが合う範囲は1.5cm分のマージンしかないことになります。
家の中で全く動かない被写体であればいいんですが、
外に出て少しでも動くものを撮ろうとすると
1.5cmの範囲にレンズをピタッと置くのはなかなか難しいもんです。
例えば花。
どんな花かにもよりますが、町中で見かける花は
だいたい膝丈前後くらいの高さにありますよね。
当然しゃがんで撮ることになります。
しゃがんだ状態で前後1.5cmの範囲にレンズをあわせて止まるのは
なかなか体勢的にキツイ。
そこに風が少しでも吹けば当然花は揺れます。
あっという間に1.5cmのスイートスポットから外れてしまうんですよ。
仕方ないから風が止まるのを待ちますよね。
その間ずっとしゃがんで、被写体からの位置を保ち続けます。
ナンなら右手でカメラを持ちつつ、
左で花の茎をつまんで、揺れを止めようとしたりなんかします。
片手でカメラの距離感を保ちつつ、左手もプルプルさせない。
そういう体幹の強さが求められるわけですよ。
いや、何が言いたいかというと
さっさと撮影出来ないとキツイよ、ということです。
そのためにも楽な体制で好きな試せる家で何回も練習をして
被写体とレンズの距離感の感覚は養っておいた方がいいんです。
この記事で花に水滴の乗った写真を何枚載せていますが、
息を止めて撮ってるような写真が多かったです…。
ストロボを使う
レンズを被写体に近づけるということは
被写体にレンズの影や自分の影がかぶってしまうことが起こりうるわけです。
これを解決するのに簡単なのはストロボを利用することです。
ちょっと例を見てみましょう。
まずストロボなしで撮った写真がこちら。
ボケが強いのでどうしてもF値を上げて撮影することになります。
そうするとどうしても暗いし、
メリハリのない写真になってしまいます。
多分の自分の影にもなっています。
もうちょっと明るい写真を撮りたいですよね?
そこで、ストロボを使うとこうなります。
左側からストロボをあてました。
陰影がはっきりして、メリハリの効いた1枚になりましたよね。
かつ、明るさも確保出来ました。
しずくの立体感も出ていていいですよね。
カメラの内蔵ストロボでも悪くはないんですが、
ストロボの位置を自由に決められるワイヤレスのストロボの方がおすすめです。
参考までに使ったストロボはこちらです。
カメラ本体のズーム機能を使う
これはカメラ本体にそういう機能があれば…という話ですが、
カメラ本体にデジタルズームの機能がついていることがあります。
自分が使っているSONYのα6000で言うと、
全画素超解像ズームというズーム機能が備わっています。
詳しくは下記の記事に説明を譲りますが、
要はカメラ本体側で2倍のズームがかけられるというものです。
当然、クローズアップレンズを使っているときにも
この機能は使うことが出来ます。
つまり、5cmまで近づいて撮影をした上で
更に2倍のズームをかけることが出来る。めちゃくちゃマクロな世界を撮影することが出来るようになるんです。
今回紹介したようなNo.5とNo.10を併用するような場合には
カメラ本体のズーム機能が必要になることはあまりないかもしれませんが、
No.5だけ持っているよというような方なら
知っておいて損はない方法かなと思います。
クローズアップレンズの欠点
さて、ここまでいいことづくしのように説明をしてきましたが、
やはり弱点もあるように思います。
それが次のようなことです。
- 近寄らないと撮れなくなる
- 被写界深度が浅くなりすぎる
ここまでにすでに説明したことではありますが、
欠点になりうる項目だと思います。
近寄らないと撮れなくなる
これは場合によっては結構面倒な問題で、
普通のマクロレンズを使った場合は離れているものも撮れるし、
近寄って撮ることも出来るわけですよね。
一方クローズアップレンズは何度も説明している通り、
近寄らないと撮れません。 しかも一定の範囲でないとピントが合いません。
だから、マクロ撮影の後にスナップ写真を撮りたいと思ったら
その都度クローズアップレンズを取り外す必要があります。
そして、マクロ撮影をしたいと思うたびにつけ直さなければなりません。
場合によっては非常に面倒くさい。
自分なんかはそういうのもあまり気にならない性格をしているんですが、
気になる方は要注意な特徴かもしれません。
被写界深度が浅くなりまくる
これは使いこなしのF値を上げるという項目でも取り上げました。
とにかく被写界深度が浅くなり、
ピントが合う範囲が狭くなります。
言い換えればボケまくる。
被写体の中でボケている部分が多く出てきてしまうんですね。
当然、F値はしぼり気味の設定にならざるを得ません。
そうすると暗くなりますよね。
ちょっと扱いにくい。
この欠点を補うためのストロボでもあるんですが、
マクロレンズを買った場合はしぼりは開いた状態でも
問題なく撮影できるので、
やはりここは本家にかなわないところなのだと思います。
クローズアップレンズでマクロ撮影のまとめ
今日はマクロ撮影に対応していないレンズでも
マクロ撮影が出来るようになる魔法のフィルター
クローズアップレンズをご紹介しました。
クローズアップレンズにも種類があり、
種類によってどのくらいまで被写体に近づけるのかに違いがあります。
また、クローズアップレンズ複数枚を重ね付けすることも出来ます。
今回、検証したNo.5とNo.10のレンズに関して言うと
被写体までの距離の実測値は次の通りでした。
- No.5のみ使用 ー 約12cm〜30cm
- No.10のみ使用 ー 約8cm〜11cm
- No.5先・No.10後で併用 ー 約5.5cm〜7cm
- No.10先・No.5後で併用 ー 約5cm〜6.5cm
また、クローズアップレンズを使った撮影のコツは次の通りでした。
- F値は上げる
- 家の中で練習して被写体までの距離感をつかんでおく
- ストロボを使う
- カメラ本体のズーム機能を使う
また、クローズアップレンズの欠点とも言えるのは
次の点でした。
- 近寄らないと撮れなくなる
- 被写界深度が浅くなりすぎる
よくも悪くも特徴がはっきりしたアイテムですよね。
マクロレンズには及ばない点もありますが、
よほどこだわらない限り、十分過ぎる質で写真を取ることが出来ると思います。
マクロレンズの購入で迷っている方、
もしくは溺愛するレンズがマクロ対応でない方、
ぜひこのクローズアップレンズを使って
マクロ撮影を楽しんでもらえればと思います。
最後に、
実は以前、このクローズアップレンズのNo.5の方を紹介する記事を書いたことがあります。
よかったら読んでみてください。
それでは。
今日よりほんのちょっとステキな明日があなたに訪れますように。